日本の5大総合商社第三四半期の業績を徹底比較します。
バフェットが日本の商社に投資したことで、世界中の投資家から注目されました。
業績の好調や日本株ブームにより株価が上昇傾向です。
三井物産
時価総額 8兆9016億
PER 9.2倍
PBR 1.23倍
業績情報 第3四半期 4月から12月
1年の4分の3の業績なので、利益進捗率が75%以上あれば標準的な成績です。
22年 | 23年 | 24年 | |
売上高 | 8兆5894億 | 11兆365億 | 9兆9984億 |
経常利益 | 8322億 | 1兆648億 | 9335億 |
最終利益 | 6332億 | 8407億 | 7264億 |
利益予想 | 9147億 | 1兆1306億 | 9500億 |
利益進捗率 | 69% | 74% | 76% |
昨年の資源高が落ち着き、業績も落ちましたが、22年よりも業績は好調です。
世界経済の減速局面においても、順調な進捗率
24年予想 8800億→9400億→9500億に上方修正
第三四半期でさらに100億の上方修正を行いました。
業績の好調が伺えます。
2024年セグメント別進捗率 (単位:億)
23年 | 24年 | |
金属 | 3554 | 2421 |
エネルギー | 1908 | 958 |
機械 | 1311 | 2102 |
化学品 | 547 | 371 |
鉄鋼製品 | 195 | 75 |
生活産業 | 423 | 355 |
次世代 | 497 | 370 |
合計 | 8408 | 7264 |
金属
SMC売却益の剥落、原料炭価格の下落により減益
エネルギー
原油・ガス価格、生産量減 により減益
機械
資産リサイクル益、VLI・船舶・産機建機、IPP・FPSO操業開始により増益
生活産業
エームサービスの持分評価益により高い進捗率
化学品、鉄鋼製品
経済の減速により需要、価格減の影響を受け低い進捗率となった。
財務状況
21年3月 | 22年3月 | 23年3月 | 23年4月から9月 | |
1株純資産 | 2739円 | 3501円 | 4177円 | |
自己資本比率 | 36.5% | 37.6% | 41.4% | 43.1% |
総資産 | 12兆5158億 | 14兆9232億 | 15兆3809億 | 16兆4889億 |
自己資本 | 4兆5704億 | 5兆6052億 | 6兆3677億 | 7兆1006億 |
剰余金 | 3兆5477億 | 4兆1659億 | 4兆8405億 | 5兆2410億 |
自己資本比率、剰余金も右肩上がりで、財務も年々良くなっています。
配当情報
21年 | 22年 | 23年 | |
株価 | 2773円 | 3800円 | 5736円 |
配当金 | 105円 | 140円 | 170円 |
配当利回り | 3.7% | 3.8% | 2.9% |
一株利益 | 561円 | 721円 | 634円 |
配当性向 | 18% | 19% | 26% |
株価が大幅に上昇し、配当利回りも低下傾向です。
現在の配当利回りは3%
業績の好調で配当金の増配が見込まれます。
配当金の増配もしており、将来的な増配にも期待できる銘柄です。
株主還元
累進配当を実施 26年3月までは年間下限配当170円に引き上げ
どれだけ業績が悪くても、配当金が170円より下げることはありません。
総還元性向 37%
年間の配当金を20円増配
自己株式を500億取得を決定
23年の上半期に700億の取得を行っており、合計で1200億の自社株買いを行いました。
期間 23年11月1日から24年1月31日まで
丸紅
時価総額 3兆9697億
PER 8.8倍
PBR 1.25倍
業績情報 第3四半期 4月から12月
1年の4分の3の業績なので、利益進捗率が75%以上あれば標準的な成績です。
21年 | 22年 | 23年 | |
売上高 | 6兆2183億 | 7兆3731億 | 5兆4277億 |
営業利益 | 2044億 | 2856億 | 2115億 |
経常利益 | 4025億 | 5640億 | 4515億 |
最終利益 | 3274億 | 4634億 | 3714億 |
通期利益 | 4243億 | 5430億 | 4500億 |
利益進捗率 | 77% | 85% | 82% |
業績の好調に伴い、通期利益を4200億から4500に上方修正
電力、建機、産機、モビリティなどが好調
非資源分野 1,650億円(同⽐ -290億円)
電⼒等が増益となった⼀⽅、アグリ事業等で事業環境の巡航化を主因に減益
資源分野 710億円(同⽐ -510億円)
資源価格下落に伴う原料炭事業等の減益
銅価格等の資源価格下落の影響など
セグメント別 損益の状況 4月から12月
22年 | 23年 | |
ライフスタイル | 57億 | 74億 |
情報 | 62億 | 46億 |
食料第一 | 90億 | 143億 |
食料第二 | 802億 | 177億 |
アグリ | 409億 | 348億 |
フォレスト | △24億 | 28億 |
化学品 | 127億 | 76億 |
金属 | 1574億 | 1221億 |
エネルギー | 367億 | 260億 |
電力 | 401億 | 433億 |
インフラ | 62億 | 88億 |
航空 | 237億 | 168億 |
金融、リース、不動産 | 307億 | 364億 |
建機 | 178億 | 210億 |
合計 | 3714億 | 4634億 |
ライフスタイル
衣料品等の取引における増益及び前年同期に計上した衣料品等の企画・製造・販売事業に関連する一過性損失の反動により、前年同期比15億円増益の49億円となりました。
情報ソリューション
国内携帯電話販売事業の減益により、前年同期比16億円減益の24億円となりました。
食料第一
海外のインスタントコーヒー製造・販売事業等の増益を主因に、+50億円増益の140億円、建機・産機・モビリティは、建設機械事業及び産業設備事業等が好調であったことから、
+40億円増益の210億円となりました。
食料第二
米国肉牛加工販売事業や豪州肉牛肥育販売事業の減益により▲70億円減益の160億円となりました。
フォレストプロダクツ
パルプ市況悪化に伴うムシパルプ事業の減益等により、前年同期比12億円減益の31億円となりました。
化学品
石油化学品及び無機化学品取引の減益により、▲80億円減益の50億円
エネルギー
油ガス価格下落に伴う石油・ガス開発事業の減益等により、▲130億円減益の260億円となりました。
電力
海外発電事業の増益等により、前年同期比+100億円増益の490億円となりました。
航空・船舶
四半期利益は、航空関連事業における需要回復に伴う増益があったものの、船舶市況の悪化に伴う船舶保有運航事業の減益により、前年同期比57億円減益の121億円となりました。
金融・リース・不動産
四半期利益は、国内不動産事業の増益等に加え、米国中古車販売金融事業の堅調な推移もあったことにより、前年同期比5億円増益の242億円となりました。
建機・産機・モビリティ
四半期利益は、建設機械事業及び産業設備事業の増益により、前年同期比38億円増益の157億円となりました。
販売台数等の増加に伴う建設機械事業及び自動車関連事業の増益
次世代事業開発
四半期損失は、前年同期に計上した貸倒費用の反動及び中東における医薬品・医療機器販売事業
の増益により、前年同期比23億円改善の1億円となりました。
金属
金属は、市況下落に伴う豪州原料炭事業の減益等により、前年同期比▲410億円減益の1,160億円となりました。
アグリ
農薬及び肥料の価格下落を背景として、米国ヘレナ社で好調であった昨年の反動減等により、前年同期比▲110億円減益の300億円となりました。
第二四半期の業績
金属において、銅の価格下落で業績は落ちましたが、電力、金融・リース・不動産及び建機・産機・モビリティ等のオペレーティング・セグメントの業績が堅調に推移しました。
財務状況
21年3月 | 22年3月 | 23年3月 | 23年4月から12月 | |
1株純資産 | 903円 | 1217円 | 1610円 | 1890円 |
自己資本比率 | 26.2% | 27.2% | 36.2% | 37.3% |
総資産 | 6兆9357億 | 8兆2555億 | 7兆9536億 | 8兆4876億 |
自己資本 | 1兆8147億 | 2兆2421億 | 2兆8777億 | 3兆1679億 |
剰余金 | 1兆673億 | 1兆3797億 | 1兆7781億 | 1兆9885億 |
財務状態も年々よくなっています。
配当情報
21年 | 22年 | 23年 | |
株価 | 1020円 | 1500円 | 2356円 |
配当金 | 62円 | 78円 | 83円 |
配当利回り | 6% | 5.2% | 3.5% |
一株利益 | 242円 | 316円 | 268円 |
配当性向 | 25% | 24% | 30% |
株価の上昇に伴い、配当利回りが急落しています。
現在は年3.6%の利回り水準です。
株主還元
22年度から累進配当政策を実施(減配をしない政策)
業績の好調に伴い、配当金を78円から83円に増配
総還元性向 30~35%
200億円の自社株買い
期間 23年11月6日から24年2月9日
住友商事
時価総額 3兆9224億
PER 8.1倍
PBR 0.96倍
業績情報 第3四半期 4月から12月
21年 | 22年 | 23年 | |
売上高 | 3兆9451億 | 5兆700億 | 5兆642億 |
経常利益 | 4253億 | 6014億 | 5027億 |
最終利益 | 3351億 | 4643億 | 4041億 |
予想利益 | 4636億 | 5651億 | 5000億 |
利益進捗率 | 72% | 82% | 80% |
22年と23年の業績比較
資源ビジネス ▲860億円 資源・エネルギー価格下落
非資源ビジネス ▲120億
⾃動⾞流通販売事業・建設機械事業 好調
国内電⼒⼩売事業 契約更改及び、電⼒調達価格の安定的推移により好調
不動産事業 前年同期⼤⼝案件の引渡しあり、
アグリ事業 市況下落及び前年同期⾼需要の反動
セグメント別第3四半期業績 (億円)
22年 | 23年 | |
金属 | 807 | 573 |
建機 | 765 | 1296 |
インフラ | 163 | 285 |
メディア | 211 | 274 |
不動産 | 466 | 391 |
資源 | 2189 | 988 |
合計 | 4643 | 4041 |
金属
海外スチールサービスセンター事業
前年同期北⽶好調
鋼管事業 前年同期市況好調により減益
建機
自動車、建機、リース事業が好調
米国タイヤ販売事業売却に伴う一過性の利益のため増益
インフラ(電力)
国内小売電力の値上げや、調達価格の安定化により好調
資源
資源・エネルギー価格下落
財務状況
21年3月 | 22年3月 | 23年3月 | 23年4月から12月 | |
1株純資産 | 2022円 | 2558円 | 3062円 | |
自己資本比率 | 31% | 33% | 37% | 39% |
総資産 | 8兆799億 | 9兆5821億 | 10兆1053億 | 10兆7192億 |
自己資本 | 2兆5279億 | 3兆1978億 | 3兆7786億 | 4兆2500億 |
剰余金 | 1兆8714億 | 2兆2696億 | 2兆7065億 | 2兆9051億 |
配当情報
21年 | 22年 | 23年 | |
株価 | 1620円 | 2100円 | 3322円 |
配当金 | 110円 | 115円 | 125円 |
配当利回り | 6.7% | 5.4% | 3.7% |
一株利益 | 370円 | 452円 | 409円 |
配当性向 | 29% | 25% | 30% |
配当利回りが低下傾向です。
現時点では利回りが4%程度あり高配当ラインを保っています。
株主還元
23年は業績を5000億に上方修正し配当金を5円増配の125円とする。
伊藤忠商事
時価総額 10兆3335億
PER 11.8倍
PBR 1.84倍
業績情報 第3四半期 4月から12月
21年 | 22年 | 23年 | |
売上高 | 9兆936億 | 10兆5442億 | 10兆4510億 |
営業利益 | 4647億 | 5743億 | 5390億 |
経常利益 | 9573億 | 9245億 | 8498億 |
最終利益 | 6788億 | 6822億 | 6116億 |
予想利益 | 8202億 | 8005億 | 8000億 |
利益進捗率 | 82% | 85% | 76% |
第三四半期純利益は、6,116億円
2Q決算公表時に上方修正した通期見通しどおり、進捗率76%と、3年連続8,000億円超の達成に向けて順調に推移。
「基礎収益」は、単3Qで約2,000億円。通期では過去最高であった2022年度に次ぐ高水準の約5,835億円となり、機械、食料、第8で過去最高を更新。
非資源分野における景気変動耐性が高く底堅い収益基盤に加え、戦略的な投資からの利益貢献や一部事業の改善等もあり、着実に利益を積上げた。
「実質営業キャッシュ・フロー」は、第8、住生活、食料での営業取引の堅調な推移はあったものの、
金利上昇による支払利息や税金の支払等があり、6,150億円。
セグメント別 第二四半期純利益
22年 | 23年 | |
繊維 | 195億 | 190億 |
機械 | 974億 | 966億 |
金属 | 1984億 | 1645億 |
エネルギー | 814億 | 701億 |
食料 | 405億 | 550億 |
住生活 | 865億 | 521億 |
情報 | 385億 | 542億 |
第8 | 199億 | 367億 |
合計 | 6822億 | 6117億 |
金属
石炭価格の下落に加え、前年同期好調であった北米鋼管事業の反動による伊藤忠丸紅鉄鋼の取込損益減少等により減益。
エネルギー
前年同期好調であったエネルギートレーディング取引及び化学品関連取引の反動により、リチウムイオン電池事業の再評価に係る利益等はあったものの、減益。
第8
ファミリーマートでは外部環境変化や今後の事業基盤強化に向けたデジタル施策実行に伴う各種コストの増加はあったものの、商品力・販促強化による客数及び客単価の伸長に伴う日商増加に加え、関係会社業績及び店舗減損の改善並びに国内事業売却に伴う一過性利益等により増益。
財務状況
21年3月 | 22年3月 | 23年3月 | 23年4月から9月 | |
1株純資産 | 2232円 | 2857円 | 3311円 | 3537円 |
自己資本比率 | 29.7% | 34.6% | 36.8% | 35.6% |
総資産 | 11兆1784億 | 12兆1536億 | 13兆1116億 | 14兆3595億 |
自己資本 | 3兆3162億 | 3兆8119億 | 4兆4272億 | 5兆1109億 |
剰余金 | 3兆2389億 | 3兆8119億 | 4兆4272億 | 4兆8221億 |
配当情報
21年 | 22年 | 23年 | |
株価 | 3518円 | 4146円 | 6520円 |
配当金 | 110円 | 140円 | 160円 |
配当利回り | 3.1% | 3.3% | 2.4% |
一株利益 | 552円 | 546円 | 554円 |
配当性向 | 19% | 25% | 28% |
総合商社の中では非資源分野が多く安定感があります。
配当利回りも横ばいです。
株主還元
一株あたり20円の増配により、160円の配当金
750億円の追加自社株買いを実施
年間1000億円の自社株買いを行います。
総還元性向 40%以上
三菱商事
時価総額 10兆5938億
PER 11倍
PBR 1.2倍
業績情報 第3四半期 4月から12月
21年 | 22年 | 23年 | |
売上高 | 12兆3711億 | 16兆2845億 | 14兆7055億 |
経常利益 | 9065億 | 1兆3442億 | 1兆52億 |
最終利益 | 6447億 | 9557億 | 6966億 |
予想利益 | 9375億 | 1兆1806億 | 9500億 |
利益進捗率 | 68% | 80% | 73% |
各事業着実に利益を積み上げ第三四半期は過去第2位となる6966憶と高水準
前年同期比の要因は、資源価格の沈静化や売却益の反動で減益。
セグメント別 第3四半期当期純利益
22年 | 23年 | |
天然ガス | 1156億 | 1291億 |
総合素材 | 518億 | 457億 |
化学 | 238億 | 58億 |
金属 | 3851億 | 2169億 |
インフラ | 225億 | 311億 |
自動車 | 1227億 | 1239億 |
食品 | 685億 | 427億 |
コンシューマー | 212億 | 380億 |
電力 | △16億 | 153億 |
都市開発 | 1163億 | 269億 |
合計 | 9558億 | 6966億 |
天然ガス
LNG関連事業における持分利益の減少
一方、取引利益の増加により微増
金属
オーストラリア原料炭事業における取引価格の下落で減益
自動車
アセアン自動事業における持ち分利益の減少
一方、海外事業売却による損益を計上したことで微増
食品
海外事業の減損損失や鮭の養殖事業における持分利益の減少
コンシューマー
ローソンの持分駅の増加、前年に計上減損の反動によって増益
都市開発
前年同期に計上した不動産関連会社の売却益の剥落
財務状況
21年3月 | 22年3月 | 23年3月 | 23年4月から9月 | |
1株純資産 | 3803円 | 4659円 | 5648円 | |
自己資本比率 | 30% | 31% | 36% | 37.6% |
総資産 | 18兆6349億 | 21兆9120億 | 22兆1475億 | 23兆2269億 |
自己資本 | 5兆6136億 | 6兆8802億 | 8兆656億 | 8兆7270億 |
剰余金 | 4兆4227億 | 5兆2044億 | 6兆438億 | 6兆3668億 |
配当情報
21年 | 22年 | 23年 | |
株価 | 1200円 | 1500円 | 2535円 |
配当金 | 50円 | 60円 | 70円 |
配当利回り | 4.1% | 3.9% | 2.7% |
一株利益 | 211円 | 269円 | 230円 |
配当性向 | 23% | 22% | 30% |
株主還元
上方修正を踏まえ、一株あたり10円を増配し210円の配当金
累進配当制を実施→減配をしない政策
2024年1月1日から、株式を3分割
高くなった株価を下げるため、株式を分割し、投資を行いやすくします。
株主還元
19年 | 20年 | 21年 | |
配当金 | 44円 | 45円 | 50円 |
自社株買い | 0円 | 0円 | 700億 |
総還元額 | 1987億 | 1978億 | 2915億 |
総還性向 | 37% | 115% | 31% |
22年 | 23年 | 24年 | |
配当金 | 60円 | 70円 | 70円 |
自社株買い | 3700億 | 1000億 | 6000億 |
総還元額 | 6293億 | 3900億 | 8900億 |
総還性向 | 53% | 41% | 94% |
今期三菱商事は追加で5000億の自社株買いを発表し、合計6000億の自社株買いを行います。
総還元性向は94%で今期の利益は株主還元に使われます。
5大商社徹底比較
業績情報 第三四半期
三井 | 丸紅 | 住友 | 伊藤忠 | 三菱 | |
売上高 | 9兆9984億 | 5兆4277億 | 5兆642億 | 10兆4510億 | 14兆7055億 |
利益 | 7264億 | 3714億 | 4041億 | 6116億 | 6966億 |
予想利益 | 9500億 | 4500億 | 5000億 | 8000億 | 9500億 |
利益進捗率 | 76% | 82% | 80% | 76% | 73% |
利益進捗率が高いと業績の上方修正があり、増配や自社株買いに期待できます。
丸紅と住友の利益進捗率が高いです。
通期決算では株主還元の発表に期待です。
三井の利益が伊藤忠と三菱を超えています。
三井の好調さも伺えます。
財務比較
三井 | 丸紅 | 住友 | 伊藤忠 | 三菱 | |
時価総額 | 8兆9016億 | 8兆9697億 | 3兆9224億 | 10兆3335億 | 10兆5938億 |
自己資本比率 | 43.1% | 37.3% | 39% | 35.6% | 37.6% |
剰余金 | 5兆2410億 | 1兆9885億 | 2兆9051億 | 4兆8221億 | 6兆3668億 |
自己資本比率が高いほど財務が良好です。
三井の財務状態が一番よくなりました。
配当情報
三井 | 丸紅 | 住友 | 伊藤忠 | 三菱 | |
株価 | 5736円 | 2356円 | 3322円 | 6520円 | 2535円 |
配当金 | 170円 | 83円 | 125円 | 160円 | 70円 |
利回り | 2.9% | 3.5% | 3.7% | 2.4% | 2,7% |
一株利益 | 634円 | 268円 | 409円 | 554円 | 230円 |
配当性向 | 26% | 30% | 30% | 28% | 30% |
住友商事の利回りが現時点では一番高いです。
商社は業績の好調、積極的な株主還元を行い、利回りが低下しています。
昨年のような業績は難しく今後の増配は厳しいかもしれません。
一過性の還元として、自社株買いを今後行っていく可能性があります。
指標判断
三井 | 丸紅 | 住友 | 伊藤忠 | 三菱 | |
PER | 9.2倍 | 8.8倍 | 8.1倍 | 11.8倍 | 11倍 |
PBR | 1.23倍 | 1.25倍 | 0.96倍 | 1.84倍 | 1.2倍 |
住友商事のみPBR1倍を割れており、割安水準です。
東証のPBR1倍割れ改善があるので、住友商事の株主還元に期待です。
株主還元
三井 | 丸紅 | 住友 | 伊藤忠 | 三菱 | |
増配 | 20円 | 5円 | 5円 | 20円 | 10円 |
累進配当 | あり | あり | なし | あり | あり |
自社株買い | 1200億 | 200億 | なし | 1000億 | 60000億 |
総還元性向 | 37% | 35% | 40% | 94% |
三菱商事が1000億の自社株買いが終わり、追加で5000億の自社株買いを発表しました。
総還元性向も94%となりました。
自社株買いを行うことで株価の上昇が期待できます。
現時点ではどれがおすすめか
5大総合商社業績、財務、配当情報を比較を行い現時点ではどれがおすすめかを紹介します。
高配当株投資を軸に置いたおすすめです。
現時点では丸紅がおすすめです。
累進配当を発表しており、減配がない。
積極的な株主還元、増配や自社株買いをしている。
配当利回りが3.5%と標準的な水準。
利益進捗率が80%を超えており、次回の通期決算では、増配か自社株買いをする可能性が高い。
現状、商社株の株価が高く、無理に投資を行う必要はありません。
他の総合商社の利回りも2%から3%台と低いため。
売却益狙いの投資なら、三菱商事をおすすめします。
5000億の自社株買いを発表し、今後株価が上昇する可能性が高いため。
第三四半期の商社株の市況
電力
燃料費価格の下落、料金の値上げで業績が好調
建機
米国の需要が好調、円安、価格転嫁に成功し業績が好調
自動車
半導体不足が解消し生産能力が回復。
北米の販売が好調、円安も加わり好調。
化学品
中国の景気低迷で需要減少
スマホや家電の販売不振が続く
資源
石炭、銅などの資源価格の下落で昨年より利益が低下。
世界経済や中国の景気減速を受けて価格が低下傾向
去年の資源価格が異常なまでの高水準でした。
商社は利益の半分が資源を占めているため、資源価格の推移で業績に大きく影響を及ぼします。
為替
インフレ対策のため世界経済は金融引き締めを行っています。
日本では、依然として低金利の状態が続いており、利息がつかない円よりドルの需要が高く円安に作用しています。
商社は輸出中心の企業のため、円安は業績にプラスに作用します。
好調
電力、建機、自動車、
米国の旺盛な需要や円安で輸出関連の業種は利益水準を押し上げました。
不調
資源、化学品
世界経済
米国 インフレを対策するため金融引き締めをしているが、良好な雇用環境、所得の伸びがあり景気好調
ヨーロッパ
金融引き締めや、インフレで個人消費が圧迫、景気が停滞気味
中国
不動産不況の影響で、経済が減速傾向
日本
コロナからの規制が緩和され、インバウンド需要が回復し、緩やかな景気回復が続くと見込まれる。
米国の銀行との金利差があるため、円安傾向が続くと予想。
中東情勢
イスラエル、パレスチナ問題で地政学リスクが発生。