個人投資家に大人気、日本の五大総合商社第1期決算を徹底比較します。
商社株は投資の神様ウォーレンバフェットも投資している、増配、高配当、おすすめ銘柄です。
最後に現時点でどの株がおすすめなのかも考察しますので、ぜひ最後までご覧ください。
丸紅
丸紅の特徴
電力、食料 生活密着型に重点を置いている。
非資源分野の割合が多い。
企業情報
総資産 7兆1886億→8兆9763億
時価総額 2兆1948億→2兆4604億 商社4位
発行株数 17億3847万5千→17億1821万2千
利益剰余金 1兆2393億→1兆5142億
有利子負債 2兆4594億→2兆7319億
自己資本比率 26%→27%
営業CF 3970億
現金 7458億
格付け
JCR A+(安定的)
R&I A+(安定的)
ムーディーズ Baa2(安定的)
S&Pグローバル BBB+(ポジティブ)
4つの格付け会社から評価されている。
指標判断
PER 5.21倍 割安
PBR 1.09倍 割高
ROE 16.9% 高い
ROA 4.9% 標準
若干割安傾向があります。
代表株主
ユーロクリア・バンク 9億4310万株 5.4%
明治安田生命保険 3億7630万株 2.1%
みずほ銀行 3億株 1.7%
日本保険会社、銀行が代表投資家です。
業績情報
2021年度Q1 | 2022年度Q1 | 2022年度通見通し | |
売上 | 2兆1340億 | 2兆9104億 | |
営業利益 | 692億 | 1473億 | 2750億 |
当期純利益 | 1150億 | 2042億 | 4000億 |
(資源分野) | 397億 | 787億 | 1700億 |
(非資源分野) | 857億 | 1156億 | 2300億 |
丸紅は非資源分野でも稼いでいます。
2022年度見通しと同じ比率で稼いでいます。
前年を超える好調です。
第1期で目標利益の半分を稼ぎました。
利益進捗率 50%
セグメント別利益 (億円)
2021年度Q1 | 2022年度Q1 | 2022年通見通し | |
ライフスタイル | 11 | 4 | 80 |
情報・物流 | 22 | 16 | 100 |
食料第一 | 65 | 31 | 90 |
食料第二 | 86 | 71 | 290 |
アグリ事業 | 246 | 422 | 380 |
フォレストプロダクツ | 36 | 28 | 90 |
化学品 | 50 | 73 | 140 |
金属 | 409 | 806 | 1680 |
エネルギー | 43 | 185 | 270 |
電力 | 22 | 89 | 200 |
航空・船舶 | 42 | 94 | 210 |
建機・モビリティ | 45 | 61 | 180 |
合計 | 1121 | 2016 | 4000 |
アグリ事業 旺盛な農業資材需要及び資材価格上昇を背景としたHelena社の増益。
金属 商品価格の上昇に伴う豪州原料炭事業及び豪州・カナダアルミ事業の増益。
エネルギー ⽯油・LNGトレーディングにおける増益及び原油・ガス価格の上昇等に伴う⽯油・ガス開発事業の増益。
配当情報
2020年度 | 2021年度 | 2022年度(予想) | |
株価 | 846円 | 1284円 | 1337円 |
配当 | 33円 | 62円 | 60円 |
利回り | 3.9% | 4.8% | 4.4% |
一株利益 242円
配当性向 24%
2024年度まで配当下限60円を設定
60円以下の減配はないです。
予想利益を既に半分稼いでいるので、増配も期待できます。
住友商事
資源分野に重点
近年はメディア(jcom)分野に進出しています。
JCOM、ケーブルテレビ、スーパー事業の株主です。
金属事業が赤字になりやすい。
子会社一覧
JCOM、三井住友フィナンス&リース、ティーガイア、住友商事ケミカル
企業情報
総資産 8兆6333億→10兆993億
時価総額 2兆998億→2兆4405億 商社時価総額 5位
発行株数 12億5140万4千
利益剰余金 2兆892億→2兆3440億
有利子負債 3兆119億→3兆1548億
自己資本比率 31.9%→35%
営業CF 4670億
現金 5990億
格付け
R&I A+(ポジティブ)
ムーディーズ Baa1(安定的)
スタンダード BBB+(安定的)
3つの格付け会社から評価されています。
指標判断
PER 5.95倍 割安
PBR 0.74倍 割安
ROE 11.3% 高い
ROA 4% 標準
指標判断では割安です。
代表株主
ユーロクリア・バンク 5.2%
住友生命保険 2.4%
ステートストリート 1.4%
住友系と外国の投資機関が投資しています。
業績情報
2021年度Q1 | 2022年度Q1 | 2022年度通見通し | |
売上 | 1兆2650億 | 1兆6150億 | |
当期純利益 | 1073憶 | 1552億 | 3700億 |
(資源分野) | 220億 | 570億 | |
(非資源分野) | 670億 | 860億 |
四半期単独では最高益
資源ビジネス 資源価格の上昇 トレード堅調
進捗率は42%
セグメント別利益 (億円)
2021年度Q1 | 2022年度Q1 | 2022年通見通し | |
金属 | 72 | 243 | 440 |
輸送機・建機 | 145 | 204 | 500 |
インフラ | 69 | 82 | 330 |
メディア | 104 | 74 | 360 |
生活・不動産 | 176 | 157 | 580 |
資源・化学品 | 472 | 809 | 1680 |
合計 | 1037 | 1570 | 3700 |
金属と資源事業が資源価格高騰のため前期より好調です。
配当情報
2020年度 | 2021年度 | 2022年度(予想) | |
株価 | 1541円 | 1976円 | 1906円 |
配当 | 70円 | 110円 | 96円 |
利回り | 4.5% | 5.5% | 5% |
配当利回りが5%あり高配当銘柄です。
一株利益 358円
配当性向 26%
三井物産
資源分野に重点を置いてます。
よって、資源価格の影響をとても受けやすい特徴があります。
子会社一覧 子会社合計280社
三井ケミカル、JA三井リース、三井プラスチック、三井石油開発
企業情報
総資産 12兆9540億→15兆7860億
時価総額 4兆5205億 総合商社第3位
発行株数 16億4246万6千
利益剰余金 3兆7205億→4兆3478億
有利子負債 4兆6757億→5兆1972億
自己資本比率 36.6%
営業CF 7726億
現金 1兆631億
格付け
R&I AA(安定的)
S&Pグローバル A(安定的)
格付け会社2から評価されています。
指標判断
PER 5.83倍 割安
PBR 0.94倍 割安
ROE 15.4% 高い
ROA 5.6%
指標判断では割安です。
代表株主
ユーロクリアバンク 8億9080万 5.4%
自社 4億7530万株 2.2%
日本生命保険 3億5070万 2.1%
自社や日本の生命保険会社が投資しています。
業績情報
2021年度Q1 | 2022年度Q1 | 2022年度通見通し | |
売上 | 2兆6580億 | 3兆7205億 | |
営業利益 | 2682億 | 3134億 | |
当期純利益 | 1913 | 2750 | 8000 |
利益進捗率 34% まずまずの出だしです。
ロシア事業 サハリンの評価価値を1366億減少を計上
セグメント別利益 (億円)
2021年度Q1 | 2022年度Q1 | 2022年通見通し | |
金属 | 1190 | 1198 | 3300 |
エネルギー | 12 | 237 | 1600 |
機械・インフラ | 292 | 389 | 1600 |
化学品 | 159 | 231 | 700 |
鉄鋼製品 | 67 | 70 | 200 |
生活産業 | 139 | 265 | 500 |
次世代・機能推進 | 104 | 204 | 400 |
合計 | 1913 | 2750 | 8000 |
エネルギー 原油・ガス価格上昇
機械・インフラ 北米中心に自動車、商用車事業好調
化学品 硫黄・肥料関連商品の販売が堅調
生活産業 穀物トレーディング、プットオプション、ヘルスケア事業堅調
次世代・機能推進 不動産事業における売却益 商品デリバリティブ取引好調
配当情報
2020年度 | 2021年度 | 2022年度(予想) | |
株価 | 2234円 | 3114円 | 3308円 |
配当 | 85円 | 105円 | 135円 |
利回り | 3.4% | 3.3% | 4% |
2021年度より増配予想で利回り4%あります。
ロシア(サハリン)問題があり、今後の業績にどう動くかが鍵です。
EPS 600円
配当性向 22%
伊藤忠商事
非資源が主力 中国企業に投資している。(中国リスクがある)
資源ビジネスの依存度が低く、資源価格の影響を受けにくいです。
中国にも積極的に投資しており、中国の景気次第で利益が大きく変わります。
子会社一覧
ユニーファミリーマート、伊藤忠エネクス、伊藤忠食品、伊藤忠都市開発
企業情報
総資産 11兆2433億→13兆341億
時価総額 5兆4615億→6兆780億 総合商社第2位
発行株数 15億8488億9千株
利益剰余金 3兆5551億→3兆9511億
有利子負債 2兆8229億→3兆543億
自己資本比率 33.5%→34.8%
営業CF 8959億
現金 5440億
格付け
JCR AA+(安定的)
R&I AA(安定的)
ムーディーズ A3(ポジティブ
S&Pグローバルレーティング A(安定的)
4つの格付け会社から評価されています。
指標判断
PER 7.16倍
PBR 1.36倍
ROE 15.9%
ROA 5.5%
評価されている分割高傾向があります。
代表投資家
自社 11億3220万株 7.1%
ユーロクリアバンク 8億1870万株 5.1%
CPワールドワイド・インベストメント 6億3500万株 4%
自社保有もあり、海外の投資家が株主です。
業績情報
2021年度Q1 | 2022年度Q1 | 2022年度通見通し | |
売上 | 2兆9160億 | 3兆3780億 | |
営業利益 | 1533 | 1830 | |
当期純利益 | 2675 | 2306 | 7000 |
(資源分野) | 748 | 668 | |
(非資源分野) | 1325 | 1415 |
利益進捗率 33% まずまずの出だしです。
上方修正を発表2022年度見通しを8000億に修正
配当金を30円増配 140円に変更
350億円枌尾自己株式取得を決定
株価の上昇が期待できます。
セグメント別利益 (億円)
2021年度Q1 | 2022年度Q1 | 2022年通見通し | |
繊維 | 53 | 41 | 260 |
機械 | 262 | 187 | 720 |
金属 | 779 | 754 | 1970 |
エネルギー | 150 | 219 | 850 |
食料 | 162 | 175 | 660 |
住生活 | 518 | 266 | 720 |
情報金融 | 186 | 106 | 300 |
第8 | 400 | 69 | 300 |
合計 | 2675 | 2306 | 7000 |
前期よりも利益は少ないです。5大総合商社の中ではここだけ
機械 ロシア向け航空機に係る減損損失
金属 鉄鋼石価格の下落により減益
エネルギー 原油価格の上昇により増益
住生活 一過性利益の反動で減益
第8 ファミリーマート関連での経費の増加、一過性利益の反動
配当情報
2020年度 | 2021年度 | 2022年度(予想) | |
株価 | 3355円 | 3915円 | 3904円 |
配当 | 88円 | 110円 | 140円 |
利回り | 2.6% | 2.8% | 3.5% |
評価されている分利回りは低いです。
一株利益 502円
配当性向28%
三菱商事
日本の総合商社として圧倒的な知名度を誇る三菱商事。
グループは、600社を超える子会社と共にビジネスを展開しています。
90カ国200以上の拠点で活動する巨大グローバル企業です。
資源分野が主力、今後非資源分野に注力していきます。
子会社一覧
ローソン、三菱自動車工業、三菱食品、三菱商事ロジスティクス
企業情報
総資産 19兆5426億→23兆267億
時価総額 5兆9740億→6兆7273億 総合商社第1位
発行株数 14億8572万3千
利益剰余金 4兆7059億→5兆6091億
有利子負債 5兆7418億→5兆6020億
自己資本比率 30%→32.8%
営業CF 1兆175億
現金 1兆3178億
格付け
R&I AA(安定的)
ムーディーズ A2(安定的)
スタンダード A(安定的)
3つの格付け会社から評価されています。
指標判断
PER 6倍
PBR 0.88倍
ROE 13.2%
ROA 4.3%
指標判断では割安です。
代表株主
ユーロクリアバンク 7億7540万株 5.2%
明治安田生命保険 5億8360万株 3.9%
東京海上日動火災 5億910万株3.4%
日本の保険会社が代表株主です。
業績情報
2021年度Q1 | 2022年度Q1 | 2022年度通見通し | |
売上 | 3兆7937億 | 5兆4434億 | |
当期純利益 | 1876 | 5340 | 8500 |
利益進捗率63%
既に目標の半分を稼いでいます。
セグメント別利益 (億円)
2021年度Q1 | 2022年度Q1 | 2022年通見通し | |
天然ガス | 185 | 181 | 1200 |
総合素材 | 91 | 192 | 330 |
石油・化学 | 99 | 224 | 410 |
金属 | 659 | 2548 | 3310 |
産業インフラ | 31 | 94 | 250 |
自動車 | 273 | 465 | 980 |
食品 | 197 | 224 | 630 |
コンシューマー | 90 | 88 | 220 |
電力 | ▲33 | 144 | 340 |
複合都市開発 | 217 | 1046 | 1200 |
合計 | 1876 | 5340 | 8500 |
総合素材 北米事業が好調
石油・化学 石油取引利益の増加
金属 豪州原料炭事業が好調
自動車 三菱自動車、アセアン自動車事業が好調
電力 欧州総合エネルギー事業や海外電力事業が好調
複合都市開発 不動産運用会社の売却益
配当情報
2020年度 | 2021年度 | 2022年度(予想) | |
株価 | 3003円 | 4247円 | 4120円 |
配当 | 142円 | 150円 | 178円 |
利回り | 4.7% | 3.5% | 4.3% |
利益進捗率がすでに60%なので、増配を期待できます。
利回りの増加に期待です。
一株利益 625円
配当性向 28%
5第総合商社徹底比較
住友 | 丸紅 | 三井 | 伊藤忠 | 三菱 | |
時価総額 | 2.44兆 | 2.46兆 | 4.52兆 | 6.07兆 | 6.72兆 |
利益剰余金 | 2.34兆 | 1.5兆 | 4.34兆 | 3.95兆 | 5.6兆 |
自己資本比率 | 35% | 27% | 36% | 34% | 32% |
総資産 | 10.9兆 | 8.97兆 | 15.7兆 | 13.3兆 | 23兆 |
有利子負債 | 2.73兆 | 3.15兆 | 5.19兆 | 3兆 | 5.6兆 |
負債比率 | 24% | 35% | 32% | 26% | 24% |
現金 | 5990億 | 7458億 | 1兆 | 5440億 | 1.3兆 |
格付け | 3個 | 4個 | 2個 | 4個 | 3個 |
PER | 5.95倍 | 5.21倍 | 5.83倍 | 7.16倍 | 6倍 |
PBR | 0.74倍 | 1.09倍 | 0.94倍 | 1.36倍 | 0.88倍 |
利益進捗率 | 42% | 50% | 34% | 33% | 63% |
利回り | 5% | 4.4% | 4% | 3.5% | 4.3% |
配当性向 | 26% | 24% | 22% | 27% | 28% |
株価 | 1906円 | 1337円 | 3308円 | 3904円 | 4120円 |
時価総額
三菱商事と伊藤忠の2強です。
住友商事と丸紅の順位が変わり丸紅が4位になりました。
時価総額が高いほど、投資家から期待され資金調達がしやすくなります。
利益剰余金
三菱商事が圧巻の5兆の剰余金があります。
剰余金が高いほど、企業の安定性があります。
自己資本比率
どの商社の自己資本比率を上げてきており、丸紅が少し低いです。
自己資本が高いほど、企業の安定性があります。
有利子負債
商社は大規模な借金をし、事業投資や新規ビジネスを立ち上げています。
三井物産と三菱商事の負債が多いです。
現金
三井物産と三菱商事が1兆円の現金を保有しています。
動かせる資金が多いほど、安定性があります。
格付け
丸紅と伊藤忠が4社から評価されています。
評価項目にもよりますが、安定性を図る指標です。
PER
全体的にどの商社も割安傾向です。
株価収益率と呼ばれ低いほど割安です。
PBR
丸紅と伊藤忠が1倍を超えていて、割高感があります。
株価純資産倍率と呼ばれ、会社の資産と現在の株価の比較で1倍を基準に判断します。
利益進捗率
丸紅と三菱商事が既に半分以上を稼いでいます。
企業は利益から配当金を出すので、達成率が高いほど増配を期待できます。
利回り
住友商事が5%を超えています。
全体的に商社は利益進捗率が高く、現在の進捗率を維持できればさらなる利回りが期待できます。
配当性向
どの商社も同じ水準になっています。
利益からどれだけ配当に出しているかを表す指標で高いほど、減配の可能性が高いです。
株価
住友、丸紅が10万円台と投資しやすい水準です。
伊藤忠と三菱は若干40万円代と投資価格が高いです。
個人投資家は資金力に乏しく、投資価格の大きい銘柄を買うとポートフォリオに占める投資比率が高くなります。
5大総合商社おすすめ順
第5位 伊藤忠商事
非資源分野が大きく業績の安定感がある。
格付け評価が4つあり外国からの投資家からも評価されている。
利回りが他の総合商社と比べ低く、割高感がある。
利益進捗率も標準
投資価格が高い
第4位 三井物産
利回りが4%と少し物足りない
他の商社と比べ標準的で投資優先度が落ちる。
配当性向が低く、利益進捗率によって増配がある。
第3位 住友商事
利回りが5%あり高配当
利益進捗率によって、さらなる増配もあり得る。
PER、PBRどちらも割安。
投資価格も19万円代と投資しやすい。
自己資本比率が他の総合商社と比べ高い
第2位 丸紅
格付け評価では4社から評価されている。
自己資本比率が低い
剰余金の2倍以上借金をしている。
利益進捗率が既に50%に達しており増配が期待できる。
第1位 三菱商事
他の総合商社と比べ標準以上の指標をつけている。
PER、PBRでは割安水準。
利益進捗率も60%あり業績が好調。
投資価格が高いのが難点
時価総額では総合商社トップで評価されている。
以上5大総合商社を徹底比較してみました。
個人投資家が投資する目線で私なりの分析をしてみました。
ぜひ皆様の参考になれば幸いです。
決算第2期は11月1日以降に順次発表されるので、おすすめ銘柄順に今から仕込むのもおすすめです。