個人投資家に向けて、おすすめできる商社株を5選紹介します。
商社株は割安で高配当な銘柄が多く、
高配当株投資を行う上で、ぜひ取り入れたいセクターです。
前提条件
最低投資価格を重視
最低購入価格の小さな銘柄は順位を高くしています。
個人投資家は資金力が無く、最低購入価格の大きな銘柄を買うと、投資比率が多くなりリスクが大きくなります。
最低投資価格の少ない、優良銘柄を選定する事でリスクを抑えます。
配当金投資を基本に長期保有前提
企業の安定性、規模、利回り、投資口価格を評価基準に、安定的に配当金を貰える銘柄に絞ります。
商社株の特徴
世界の商品を売買し、人と人をつなぐ役割をしていました。
しかし、インターネットが発達し、商社の役割が不要になりつつありました。
現在は成長が見込まれる企業に投資、または資源ビジネスに着手しています。
商社株は資源と非資源ビジネスでどれだけ投資しているかで、特徴が出てきます。
資源ビジネス
石油、石炭や金属の権益に投資して収益を得る。
資源価格の影響を受けやすく、収益が不安定になりやすい特徴があります。
資源分野
エネルギー、金属
非資源ビジネス
生活密着型企業(コンビニ、自動車)や食料関連企業に投資を行い、収益を得ます。
資源ビジネスと比べ安定感があります。
対象企業の筆頭株主となっており、投資信託会社と言える側面があります。
非資源分野
繊維や食料品、住生活用品、情報・金融
第5位 三井物産(8031)
三井物産株式会社は日本で歴史のある総合商社です。
資源分野に重点を置いてます。
よって、資源価格の影響をとても受けやすい特徴があります。
子会社一覧 子会社合計280社
三井ケミカル、JA三井リース、三井プラスチック、三井石油開発
三井物産 セグメント別当期純利益 1期~3期
2020年 実績 | 2021年 実績 | |
金属資源 | 769億 | 3709億 |
エネルギー | 267億 | 283億 |
機械・インフラ | 352億 | 922億 |
化学品 | 324億 | 516億 |
次世代・機能推進 | 374億 | 422億 |
鉄鋼製品 | ▲28億 | 213億 |
生活産業 | ▲4億 | 428億 |
その他※ | ▲65億 | ▲160億 |
合計 | 1989億 | 6333億 |
※その他 各セグメントに属さない、経費、利息、税金
企業情報
総資産 12兆9540億 全ての資産
時価総額 4兆5205億 発行株数×株価
発行株数 16億4235万5千
利益剰余金 3兆7205億 会社の貯金
有利子負債 4兆6757億 会社の借金
自己資本比率 36.6% 標準の範囲
営業CF 7726億 本業で稼いだお金
現金 1兆631億 保有している現金
格付け
R&I AA-(安定的)
S&Pグローバル A(安定的)
配当情報
一株株価 2968円
一株配当 105円
配当利回り 3.54% 標準の範囲
EPS 542円
配当性向 19% 減配リスクが少ない
指標判断
PER 5.47倍 割安
PBR 1.01倍 標準
ROE 15.2% 稼ぐ力が高い
ROA 5.6% 稼ぐ力が高い
三井物産 業績
2020年 実績 | 2021年 実績 | 2022年 予想 | |
一株配当 | 95円 | 98円 | 100円 |
売上 | 6兆8850億 | 8兆102億 | 11兆897億 |
経常利益 | 5343億2千万 | 4502億200万 | 1兆758億 |
当期純利益 | 3915億1300万 | 3354億5800万 | 8400億 |
三井物産評価
資源ビジネスに特化しているので、資源価格がいい時の稼ぐ力は高いです。
指標判断では、標準の範囲内に収まっています。
投資口価格が下がってくれば、投資おすすめと判断します。
第4位 伊藤忠商事(8001)
非資源が主力、中国企業に投資している。(中国リスクがある)
総合商社では第1位の利益を出しており、資源ビジネスの依存度が低く、資源価格の影響を受けにくいです。
今回のコロナ渦では、資源分野の下落が抑えられていて、業績の影響が少なかったです。
中国にも積極的に投資しており、中国の景気次第で利益が大きく変わります。
子会社一覧
国内145社 海外211社
ユニーファミリーマート、伊藤忠エネクス、伊藤忠食品、伊藤忠都市開発
伊藤忠 セグメント別当期純利益 1期~3期
2020年 実績 | 2021年 実績 | |
繊維 | 158億 | 166億 |
機械 | 327億 | 659億 |
金属 | 737億 | 1802億 |
エネルギー・科学品 | 342億 | 647億 |
食料 | 427億 | 448億 |
住生活 | 263億 | 919億 |
情報・金融 | 514億 | 886億 |
第8 | 231億 | 558億 |
その他 | 643億 | 703億 |
合計 | 3643億 | 6789億 |
その他
2020年 実績 | 2021年 実績 | |
非資源 | 2865億 | 5161億 |
資源 | 706億 | 1680億 |
その他 | 72億 | ▲52億 |
非資源割合 | 80% | 75% |
企業情報
総資産 11兆2433億 全ての資産
時価総額 5兆4615億 発行株数×株価
発行株数 15億8488億9千株
利益剰余金 3兆5551億 会社の貯金
有利子負債 2兆8229億 借金の額
自己資本比率 33.5% 標準の範囲
営業CF 8959億 本業で稼いだお金
現金 5440億 保有している現金
格付け
JCR AA(安定的)
R&I AA-(安定的)
ムーディーズ A3(ポジティブ
S&Pグローバルインデックス A(安定的)
配当情報
一株株価 3,803円
一株配当 110円
配当利回り 2.89%
EPS(一株純利益) 555円 当期純利益÷発行株数
配当性向 20% EPS÷一株配当
指標判断
PER 6.85倍 割安
PBR 1.5倍 割高
ROE 19.9% 稼ぐ力が高い
ROA 6.7% 稼ぐ力が高い
伊藤忠商事 業績内容
2020年 実績 | 2021年 実績 | 2022年 予想 | |
一株配当 | 88円 | 110円 | 120円 |
売上 | 10兆9829億 | 10兆36260億 | 11兆5743億 |
営業利益 | 3994億3800万 | 4034億1400万 | 5790億 |
経常利益 | 7014億3千万 | 5124億7500万 | 1兆945億 |
当期純利益 | 5013億2200万 | 4014億3300万 | 8200億 |
伊藤忠商事評価
投資先としては、おすすめ銘柄です。
非資源ビジネスに注力しており、安定感があります。
指標判断では、割高傾向で配当利回りが低いのが、マイナスです。
ROE、ROAの水準も高く稼ぐ力が高い、経営が上手だと判断します。
4つの格付け会社からは、評価されています。
第3位 三菱商事(8058)
日本の総合商社として圧倒的な知名度を誇る三菱商事
グループは、600社を超える子会社と共にビジネスを展開しています。
90カ国200以上の拠点で活動する巨大グローバル企業です。
資源分野が主力、今後非資源分野に注力していきます。
子会社一覧
国内、海外 1726社
ローソン、三菱自動車工業、三菱食品、三菱商事ロジスティクス
三菱商事 セグメント別当期純利益 1期~3期
事業系
2020年 実績 | 2021年 実績 | |
天然ガス | 266億 | 753億 |
総合素材 | 12億 | 319億 |
石油・化学ソリューション | 224億 | 370億 |
金属資源 | 114億 | 185億 |
産業インフラ | 173億 | 171億 |
自動車 | ▲87億 | 858億 |
食品産業 | 323億 | 713億 |
コンシューマー産業 | 149億 | 275億 |
電力ソリューション | ▲4億 | 40億 |
複合都市開発 | 109億 | 303 |
事業系 合計 | 1279億 | 3987億 |
市況系(金属資源、シェールガス、船舶などの景気リスクが高いセグメント)
2020年 実績 | 2021年 実績 | |
天然ガス | ▲100億 | 98億 |
金属資源 | 434億 | 2295億 |
産業インフラ | 1億 | 83億 |
市況系 合計 | 335億 | 2476億 |
全体合計
2020年 実績 | 2021年 実績 | |
その他 | 77憶 | ▲15億 |
全体 合計 | 1691億 | 6448億 |
企業情報
総資産 19兆5426億 全ての資産
時価総額 5兆9740億 発行株数×株価
発行株数 14億8572万3千
利益剰余金 4兆7059億 会社の貯金
有利子負債 5兆7418億 会社の借金
自己資本比率 30% 標準の範囲
営業CF 1兆175億 本業で稼いだお金
現金 1兆3178億 保有している現金
格付け
R&I AA-(安定的)
ムーディーズ A2(安定的)
スタンダード A(安定的)
配当情報
一株株価 4021円
一株配当 142円
配当利回り 3.53% 標準の範囲
EPS(一株純利益) 555円 当期純利益÷発行株数
配当性向 26% EPS÷一株配当
指標判断
PER 7.24倍 割安
PBR 0.96倍 割安
ROE 13.1% 稼ぐ力が高い
ROA 3.9% 低い
三菱商事業績内容
2020年 実績 | 2021年 実績 | 2022年 予想 | |
一株配当 | 134円 | 142円 | 150円 |
売上 | 14兆7797億 | 12兆8845億 | 16兆8792億 |
経常利益 | 6488億6400万 | 2535億2700万 | 1兆1857億 |
当期純利益 | 5353億5300万 | 1725億5千万 | 8200億 |
三菱商事評価
商社NO2の規模間を持ち投資おすすめ銘柄です。
3つの格付け会社から評価されています。
資源ビジネスに依存している面があり、今後非資源ビジネスにも注力し今後に期待です。
投資口価格が40万円代と若干手が出しにくいです。
現状、資源価格によって、赤字になる事もあり、安定面には欠けます。
第2位 丸紅(8002)
電力、食料 生活密着型に重点を置いている。
非資源分野の割合が多いです。
子会社一覧
456社
丸紅エネルギー、丸紅ITソリューションズ、丸紅都市開発
丸紅の事業内容
食料第一本部
食品スーパーマーケット事業、食品卸事業を中心に流通各社との戦略的提携を結び国内外で行っている。
化学品本部
アジア・中東地域を中心に業界でトップクラスの地位を確立しており、、合繊原料、合成樹脂、塩ビ、肥料原料についても販売網を拡大している。
エネルギー本部
カタール・赤道ギニア・ペルー・パプアニューギニアと世界各地でLNGプロジェクトを行っている。
電力本部
丸紅が最も力を入れている分野です。
再生可能エネルギーで、電力の供給と発電所の運営を行っている。
航空・船舶本部
航空機・エンジンの部品トレード事業や整備の代理店事業、リース事業を行っている。
丸紅 セグメント別当期純利益 1期~3期
2020年 実績 | 2021年 実績 | |
ライフスタイル | 10億 | 10億 |
情報・不動産 | 140億 | 110億 |
フォレストプロダクト | 10億 | 90億 |
食料第一 | 80億 | 90億 |
食料第二 | 180億 | 310億 |
アグリ事業 | 260億 | 560億 |
化学品 | 120億 | 130億 |
エネルギー | 110億 | 280億 |
金属 | 360億 | 1340億 |
電力 | 180億 | 170億 |
インフラプロジェクト | 50億 | 50億 |
航空・船舶 | 50億 | 210億 |
金融・リース事業 | 120億 | 140億 |
建設・産業・モビリティ | 90億 | 170億 |
次世代事業開発 | ▲20億 | ▲10億 |
その他 | 0 | ▲40億 |
合計 | 1760億 | 3610億 |
2020年 実績 | 2021年 実績 | |
資源 | 400億 | 1400億 |
非資源 | 1370億 | 2260億 |
企業情報
総資産 7兆1886億 全ての資産
時価総額 2兆1948億 発行株数×株価
発行株数 17億3847万5千
利益剰余金 1兆2393億 会社の貯金
有利子負債 2兆4594億 会社の借金
自己資本比率 26% 低い
営業CF 3970億 本業で稼いだお金
現金 7458億 保有している現金
格付け
JCR A+(安定的)
R&I A(安定的)
ムーディーズ Baa2(安定的)
S&Pグローバル BBB(ポジティブ)
配当情報
一株株価 1262円
一株配当 51円
配当利回り 4.04%
EPS(一株株価) 231円 当期純利益÷発行株数
配当性向 22% EPS÷一株配当
指標判断
PER 5.45倍 割安
PBR 1.27倍 割高
ROE 18.7% 稼ぐ力が高い
ROA 4.9% 標準の範囲
丸紅 業績内容
2020年 実績 | 2021年 実績 | 2022年 予想 | |
一株配当 | 33円 | 51円 | 46円 |
売上 | 6兆8276億 | 6兆3324億 | 7兆6043億 |
絵業利益 | 1338億7500万 | 1415億5300万 | 2330億 |
経常利益 | ▲1659億3500万 | 2817億6300万 | 5061億3800万 |
当期純利益 | ▲1974億5千万 | 2253億4300万 | 4000億 |
丸紅評価
非資源分野の割合が多く、安定感があります。
指標判断では、PBRが割高となりました。
配当利回りが4%台と高い。
投資口価格も十万円代と投資しやすい。
第1位 住友商事(8053)
資源分野に重点
近年はメディア(jcom)分野に進出しています。
JCOM、ケーブルテレビ、スーパー事業の株主です。
金属事業が赤字になりやすい。
子会社一覧
JCOM、三井住友フィナンス&リース、ティーガイア、住友商事ケミカル
住友商事 セグメント別当期純利益 1期~3期
2020年 実績 | 2021年 1期から3期 | |
金属 | 70億 | 480億 |
輸送機・建機 | 260億 | 590億 |
インフラ | 390億 | 320億 |
メディア・デジタル | 440億 | 370億 |
生活・不動産 | 390億 | 520億 |
資源・化学品 | 360億 | 1730億 |
合計 | 1910億 | 4010億 |
企業情報
総資産 8兆6333億 全ての資産
時価総額 2兆998億 発行株数×株価
発行株数 12億5140万4千
利益剰余金 2兆892億 会社の貯金
有利子負債 3兆119億 会社の借金
自己資本比率 31.9% 標準の範囲
営業CF 4670億 本業で稼いだお金
現金 5990億 保有している現金
格付け
R&I A+(安定的)
ムーディーズ Baa1(安定的)
スタンダード BBB+(安定的)
株価情報
一株株価 1892円
一株配当 110円
配当利回り 5.81%
EPS(一株純利益) 368円 当期純利益÷発行株数
配当性向 30% EPS÷一株配当
指標判断
PER 5.14倍 割安
PBR 0.85倍 割安
ROE 13.8% 稼ぐ力が高い
ROA 4.4% 稼ぐ力が低い
住友商事 業績内容
2020年 実績 | 2021年 実績 | 2022年 予想 | |
一株配当 | 70円 | 90円 | 76円 |
売上 | 5兆2998億 | 4兆6450億 | 6兆15億 |
経常利益 | 2519億2200万 | ▲942億1500万 | 5662億2500万 |
当期純利益 | 1713億5900万 | ▲1530億6700万 | 4600億 |
住友商事評価
指標判断では割安傾向です。
配当利回りも5大商社の中で一番高いです。
投資口価格も20万円台と投資しやすい水準です。
メディア分野の今後の伸びに期待
商社株への投資注意点
商社株は、景気敏感株と言われ、景気が悪くなれば、資源価格が下落し業績が落ちやすいです。
イノベーションが起きにくく、値上がり益狙いの投資はおすすめしない。
おすすめ総合商社5選を動画で解説してみましたので、こちらもぜひご覧ください。