米国を発端とした金融危機に発展した経緯を解説します。
米国はインフレを抑えるため、FRBは急激な利上げを行った。
利上げを行う事で銀行の持つ債権価格が下落していた。
多くの銀行は10年もの債券の含み損が拡大
シリコンバレー銀行は利益を生むため利回りのよい10年国債に多く投資していた。
債権投資比率
10年 94% 10年以下6%
債権のほとんどが10年物です。
新興企業は利上げによる景気後退
銀行からの借入金利が高騰し、資金調達が難しい。
手元資金を厚くするため、預金を引き出していた
預金の引き出しのため、3月9日シリコンバレー銀行は、債権を売却し2400億の損失を計上
資金を集めるため、増資も発表
投資家の不安材料となり、株価が暴落
株価が安くなり、増資をすることができずわずか1日で経営破綻
アメリカを発祥とした金融危機が発生
時系列順に起こった出来事
3月 9日 シリコンバレー銀行の経営不安が出る 預金一斉引出し
シリコンバレー銀行はカリフォルニア州サンタクララに本拠を置く銀行で、シリコンバレーのハイテク新興企業に資金を貸し出し、そこから預金を預かっている。
シリコンバレー銀行が破綻
株価、業績も好調で破産兆候はなかった。
全米16位の規模 総資産28兆円
投資家達は金融システムに不安になり株を売却
SNSの台頭があり、情報が速く伝わる
投資家心理も不安になる
3月10日 シリコンバレー銀行経営破綻
3月12日 シグネチャー銀行破綻(暗号資産に重点)
シリコンバレー銀行破綻でシグネチャー銀行の預金も急激に引き出され経営破綻
3月13日 FRBは預金の保護を決定
日本では1000万、米国では3300万までの預金は保護されています。
法人など大口の預金者は保護額以上に預けているので、取り付け騒ぎになれば一気に引出しを行います。
3月15日 クレディスイスの株価が暴落
欧州ではクレディ・スイスの経営不安が伝わる
クレディスイスは米投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメント取引による巨額損失業不祥事や顧客情報の流出があり業績が低迷
そこに金融危機が重なり株価が暴落
3月19日 UBSがクレディスイス買収
破綻による影響が甚大と捉え株式を取得
UBSとはスイスの3大銀行
3月22日 FRBは0.25%の利上げを発表
インフレを抑えるため、さらなる利上げを実行
FRBは信用不安解消の措置をとっており、米国の金融システムは十分な資本と流動性を有していると判断
金利 4.5%~4.75%→4.75%~5%に上昇
株ではなく米国の銀行に預けておくだけで、4.75%以上の利子が付きます。
CEOは2月末で、事前に株を大量売却済み2月末
インサイダー取引で刑事告訴が入る可能性あり
金融セクター株を中心に株価が暴落
日本の3大メガ銀行も暴落
リーマンブラザーズまでの影響は無いと言われているが株価の動きは未知数。
スタートアップ企業の影響は甚大。
資金調達ができず、経営がやりづらくなる。
スタートアップ企業は利益を生み出すまで時間とお金がかかる。
シリコンバレー銀行で決済などもたくさんしていたので
銀行株の注意点
業績不振で一斉の預金引出しがある。
業績が良くても、預金の一斉引き出しで破綻する。
現預金の額が重要
顧客から引き出せるお金がなければ破綻し株は紙切れになります。
シリコンバレー銀行の現預金額は7%程度しかなかった。
SNSの普及で何の前触れもなく破綻する可能性
地銀の債権含み損が拡大中
利上げから金融危機
コロナ禍の金融緩和による景気が好調
インフレを抑えるため、利上げ、株価が下落
リスクをとっていた銀行が破綻
スタートアップ企業のシリコンバレー
暗号資産のシグネチャー銀行破綻によるマネーゲームは終了
FRBが利上げを続ける限り、業績の不振が続きます。
個人投資家はどうするべきか
高配当株に投資をしているならホールドをおすすめします。
高配当株投資では外部影響より、配当金の原資となる業績に注目します。
現状日本株には株価の下落はありましたが、業績の影響は出ていません。
地銀の投資は財務状況を見て、慎重に行いましょう
業績不振やSNSの台頭で預金準備率以上に引出しが起これば倒産します。
既にこの金融危機も収束にむかいつつあります。
株やREITでは投資価格下落により、利回りの上昇がみられます‼