三菱ケミカルホールディングスとは
国内最大手の総合化学メーカー
三菱ケミカルが手がける素材の例
炭素繊維 ディスプレイ インプラント 食品乳化剤 インフルエンザワクチン リチウムイオン電池など幅広い分野で使用されている。
2005年に三菱化学と三菱ウェルファーマが統合(同じ三菱同士が統合)
その後、M&Aを繰り返し、三菱ケミカル、田辺三菱製薬、LSII8(生命化学インステイテュート)、日本酸素HDの四つの子会社を持つ親会社です。持株会社経営をしています。
2021年に就任したギルソン社長の方針により、大幅な改革を実施
ギルソン社長の改革
持株経営を見直す方針
買収をしていたが、利益成長に繋がらず、負債ばかり増えていた。
持ち株会社のデメリット
責任の所在が不明瞭になる。
子会社で事業の決定ができない。
決裁などが必要になり、意思決定に時間がかかる。
その他にも
石化や炭素事業を切り離し、組織のスリム化や負債削減を目指す。
今後も事業の分離や統合を進めていく
脱炭素の時代になり、二酸化炭素が多く出る事業は分離をしていく。
管理職、従業員にジョブ型雇用を適用 年功序列制度も廃止
専門特化型の採用となります。
従来の日本型雇用はメンバーシップ型と呼ばれ、年功序列、新卒一括採用が挙げられます。
三菱ケミカル企業情報
業種 化学
決算期 3月
設立 2004年
時価総額 1兆1664億 業界4位
発行株式 15億628万8千株
総資産 5兆5738億7100万
BPS 1091円(一株あたり純資産)
自己資本 1兆4580億7700万
自己資本比率 26.2% 低い方です
利益剰余金 1兆2136億7700万
有利子負債 2兆1599億6900万
M&Aと設備投資にお金を使い、負債額が多いです。
三菱ケミカル業績
2021年 | 2022年 | 2023年(予想) | |
売上高 | 3兆2575億 | 3兆9769億 | 4兆4360億 |
営業利益 | 475億1800万 | 3031億9400万 | 2770億 |
経常利益 | 329億800万 | 2903億7千万 | 2660億 |
当期純利益 | ▲75億5700万 | 1771億6200万 | 1530億 |
2022年 利益率=利益÷売上 4.4%
化学品業界で売上が3兆円を超えている、日本一の総合化学品メーカー
業績は、コロナウイルスの影響を受け赤字となった2021年から大きく回復
今後は、電気自動車、リチウムイオン電池、半導体などの素材 機能商品とヘルスケアに重点をおく。
セグメント別営業利益
2021年 | 2022年 | 2023年(予想) | |
機能商品合計 | 597億 | 787億 | 850億 |
↳ポリマーズ | 150億 | 185億 | 250億 |
↳フィルムズ | 276億 | 439億 | 400億 |
↳ソリューションズ | 171億 | 163億 | 200億 |
ケミカルズ合計 | 158億 | 1,022億 | 750億 |
↳MMA | 131億 | 318億 | 350億 |
↳石化 | 17億 | 446億 | 200億 |
↳炭素 | 10億 | 258億 | 200億 |
産業ガス | 851億 | 989億 | 1050億 |
ヘルスケア | 179億 | ▲70億 | 140億 |
営業利益合計 | 1747億 | 2723億 | 2750億 |
機能商品 部品を作る元の材料
ポリマー プラスチックの材料
フィルムズ 食品包装紙など
MMA 世界の40%を製造 工学レンズ パーテーション 自動車のランプカバーなど幅広い分野で使用されている原料。
経済の回復により、自動車や半導体の素材機能商品が売れた。
新型コロナウイルスワクチン等の研究開発費増加により、ヘルスケアの部門は赤字となった。
ヘルスケア 医薬品、ワクチンを製造
インフルエンザワクチンなどを製造している。
新型コロナウイルスワクチンも製造中
日本では、2023年の後半に実用化予定
米国 承認申請を準備
カナダ 承認がとおり2023年から実用化予定
新型コロナウイルスの影響力は、まだまだ続きそうなので、日本産のワクチン開発に期待です。
三菱ケミカル配当情報
2021年 | 2022年 | 2023年(予想) | |
株価 | 813円 | 817円 | 751円 |
配当金 | 24円 | 30円 | 30円 |
配当利回り | 2.9% | 3.6% | 3.9% |
一株利益 | ▲5.3円 | 124円 | 107円 |
配当性向 | 24% | 28% |
2022年の増配、株価の下落により、高配当銘柄と呼ばれる利回りになりました。
キャッシュフロー
営業CF 3468億 本業で稼いだお金
投資CF -1287億 事業拡大に使ったお金
マイナスの場合は設備を売った資金の方が多いということです。
財務CD -3362億借入で得たお金
マイナスの場合はお金を借りた方が多いということです。
現金 2457億 保有している現金
三菱ケミカル指標判断
PER 6.97倍 割安(株価収益率)
PBR 0.73倍 割安(株価純資産倍率)
配当性向 28% 減配リスクが少ない
ROE 10.5% 稼ぐ力が高い(自己資本利益率)
ROA 2.7% 稼ぐ力が低い(総資産利益率)
三菱ケミカルホールディングス評価
プラス材料
国内業界規模4位の巨大な総合化学メーカーである。
MMAなどこれからの必要な部品の素材を作っているので、需要が多い。
電気自動車や、太陽光発電など脱炭素関係の部品に必要
指標判断では割安。
配当利回りも3.9%ほどあり、高配当銘柄である。
マイナス材料
素材を売っているので、景気に左右されやすい。
景気が悪いとモノが売れないため
2021年に昇任したギルソン社長の改革がどうなるのか不明。