日本の3大メガバンクの業績を徹底比較します。
日本株ブーム、マイナス金利の撤廃により株価も上昇傾向が続いています。
みずほフィナンシャルグループ
時価総額 6兆8217億
PER 10.6倍
PBR 0.69倍
業績情報 第3四半期 4月から12月
22年 | 23年 | 24年 | |
売上高 | 2兆3454億 | 4兆3081億 | 6兆1604億 |
経常利益 | 4976億 | 6581億 | 8828億 |
最終利益 | 4786億 | 5432億 | 6423億 |
利益予想 | 5304億 | 5555億 | 6400億 |
利益進捗率 | 88% | 83% | 100% |
既に利益予想を超えました。
今回は上方修正、増配などの発表はありません。
次の通期決算に期待です。
24年第三四半期 業績
顧客部門、市場部門ともに堅調に推移したことや、円安影響等もあり大幅に増益
経費
円安、インフレ、海外を中心とした成長領域への資源投下でコストが増加
国内貸出金 55兆円
貸出金利 0.76%
預金金利 0%
海外貸出金 2522億ドル→37兆円
貸出金利 5.86%
預金金利 4.32%
預貸金利回りの拡大により、好業績をたたき出しました。
グループ会社別 純利益
22年 | 23年 | |
銀行 | 3797億 | 4338億 |
信託 | 212億 | 202億 |
証券 | 695億 | 1031億 |
アセット | 110億 | 96億 |
合計 | 5432億 | 6423億 |
みずほ銀行、みずほ証券の業績が好調です。
財務状況
21年3月 | 22年3月 | 23年3月 | 23年4月から9月 | |
1株純資産 | 3650円 | 3581円 | 3603円 | |
自己資本比率 | 4.1% | 3.8% | 3.5% | 3.6% |
総資産 | 225兆 | 237兆 | 254兆 | 271兆 |
自己資本 | 9兆2562億 | 9兆773億 | 9兆1332億 | 9兆8625億 |
剰余金 | 4兆4216億 | 4兆7564億 | 5兆939億 | 5兆45013億 |
利益剰余金も上昇傾向です。
配当情報
21年 | 22年 | 23年 | |
株価 | 1500円 | 1720円 | 2685円 |
配当金 | 80円 | 85円 | 100円 |
配当利回り | 5.3% | 4.9% | 3.7% |
一株利益 | 209円 | 219円 | 252円 |
配当性向 | 38% | 38% | 39% |
好調な業績に伴い、株価が上昇傾向です。
利回りも4%を割り、3.7%となりました。
1株利益の、4割を配当に出しています。
既に予想利益を達成しているので、次回の通期決算では増配に期待です。
株主還元
2023年度の配当予想は前年度対比15円増配し、年間100円を配当としてだします。
安定的な収益基盤の着実な成長に基づき、3期連続の増配となります。
三菱UFJフィナンシャルグループ
時価総額 17兆7293億
PER 13.1倍
PBR 0.9倍
業績情報 第3四半期 4月から12月
21年 | 22年 | 23年 | |
売上高 | 4兆3629億 | 6兆7937億 | 8兆5076億 |
経常利益 | 1兆3936億 | 8489億 | 1兆8018億 |
利益 | 1兆703億 | 3431億 | 1兆2979億 |
通期利益 | 1兆1308億 | 1兆1164億 | 1兆3000億 |
利益進捗率 | 90% | 38% | 99% |
通期予想を稼いでいます。
業務純益の増加に加え、Morgan Stanleyの持分法適用決算期の変更や円安の影響等もあり、MUFG発足以来の最高益
22年の第三四半期は特別利益の計上時期がずれたため、低くなっています。
通期で見ると前年と同水準の推移です。
国内
貸出金 115兆円
預金 216兆円
貸出金利 0.81%
金利利ザヤ 0.84%
海外 45兆円
金利利ザヤ 1.39%
銀行業は貸出金利から預金金利を引き、金利利ザヤで稼いでいます。
海外の方が金利利ザヤが大きく、円安も加わり好調な業績をだしました。
セグメント別 損益の状況 4月から12月
24年 | |
銀行 | 7,766億 |
信託 | 658億 |
証券 | 305億 |
アコム | 165億 |
アユタヤ銀行 | 714億 |
ダナモン銀行 | 199億 |
FSI | 181億 |
モルガン | 2834億 |
合計 | 12979億 |
銀行業で6割程度を稼いでいます。
海外での銀行業も3割程度あり、好調な海外の成長を取り込めます。
財務状況
21年3月 | 22年3月 | 23年3月 | 23年4月から9月 | |
1株純資産 | 1308円 | 1349円 | 1433円 | |
自己資本比率 | 4.7% | 4.6% | 4.5% | 4.8% |
総資産 | 359兆 | 373兆 | 386兆 | 397兆 |
自己資本 | 16兆8025億 | 17兆237億 | 17兆2312億 | 18兆8880億 |
剰余金 | 11兆2000億 | 11兆9981億 | 12兆7392億 | 13兆5984億 |
財務状態も年々よくなっています。
配当情報
21年 | 22年 | 23年 | |
株価 | 653円 | 803円 | 1437円 |
配当金 | 28円 | 32円 | 41円 |
配当利回り | 4.2% | 3.9% | 2.8% |
一株利益 | 88円 | 90円 | 110円 |
配当性向 | 31% | 35% | 37% |
株価の上昇に伴い、配当利回りが急落しています。
現在は年2.8%の利回り水準です。
株主還元
2023年11月から2024年3月まで
4000億円の自己株式の取得を発表
配当金は9円増配で41円を決定。
三井住友フィナンシャルグループ
時価総額 9兆8188億
PER 11倍
PBR 0.73倍
業績情報 第3四半期 4月から12月
1年の4分の3の業績なので、利益進捗率が75%以上あれば標準的な成績です。
21年 | 22年 | 23年 | |
売上高 | 2兆9957億 | 4兆3802億 | 6兆6912億 |
経常利益 | 8673億 | 1兆326億 | 1兆1966億 |
最終利益 | 6247億 | 7660億 | 7928億 |
予想利益 | 7066億 | 8058億 | 9200億 |
利益進捗率 | 88% | 95% | 86% |
23年の通期予想は据え置き。
前年を上回る利益予想で、業績の好調が伺えます。
グループ会社 第3四半期業績
三井住友銀行
22年 | 23年 | |
売上 | 1兆2878億 | 1兆3457億 |
経常利益 | 6345億 | 6216億 |
当期純利益 | 5637億 | 5549億 |
国内
貸出金 62兆円
貸出金利 0.85%
預金金利 0%
ただ同然で預金を仕入れ、0.85%の金利で国内ほ法人に貸出を行っています。
海外
貸出金利 6%
預金金利 4%
海外では、物価のインフレを抑えるため、金利の引き上げを行っており、貸出金利が6%と高金利です。
預金金利も4%程度あり、その金利差が利益となります。
三井住友カード
22年 | 23年 | |
売上 | 3648億 | 4058億 |
経常利益 | 744億 | 769億 |
当期純利益 | 330億 | 276億 |
SMBC日興証券
22年 | 23年 | |
売上 | 2671億 | 3341億 |
経常利益 | 36億 | 441億 |
当期純利益 | △54億 | 332億 |
SMBCコンシューマーファイナンス
22年 | 23年 | |
売上 | 1702億 | 1868億 |
経常利益 | 949億 | 939億 |
当期純利益 | 488億 | 249億 |
SMBC信託銀行
22年 | 23年 | |
売上 | 408億 | 524億 |
経常利益 | 134億 | 221億 |
当期純利益 | 112億 | 169億 |
三井住友アセットマネジメント
22年 | 23年 | |
売上 | 271億 | 304億 |
経常利益 | 42億 | 57億 |
当期純利益 | 25億 | 38億 |
三井住友ファイナンス&リース
22年 | 23年 | |
売上 | 1912億 | 2166億 |
経常利益 | 1134億 | 1311億 |
当期純利益 | 612億 | 1199億 |
財務状況
21年3月 | 22年3月 | 23年3月 | 23年4月から12月 | |
1株純資産 | 8629円 | 8825円 | 9430円 | |
自己資本比率 | 4.9% | 4.7% | 4.7% | 4.8% |
総資産 | 242兆 | 257兆 | 270兆 | 285兆 |
自己資本 | 11兆 | 12兆 | 12兆 | 13兆 |
剰余金 | 6兆4925億 | 6兆9164億 | 7兆4236億 | 7兆6725億 |
自己資本、剰余金も年々増加傾向です。
配当情報
21年 | 22年 | 23年 | |
株価 | 4193円 | 5298円 | 7639円 |
配当金 | 210円 | 240円 | 270円 |
配当利回り | 5% | 4.5% | 3.5% |
一株利益 | 515円 | 590円 | 695円 |
配当性向 | 40% | 40% | 38% |
一株利益に対して、40%を配当金として出しています。
海外の業績が好調なので、さらなる業績の向上、配当金の増加に期待できます。
株主還元
2023年11月
1500億の自社株買いを決定
配当金は10円増配で250円。
3大メガ銀行徹底比較
業績情報
みずほ | 三井住友 | 三菱UFJ | |
売上高 | 6兆1604億 | 6兆6912億 | 8兆5076億 |
利益 | 6423億 | 7928億 | 1兆2979億 |
予想利益 | 6400億 | 9200億 | 1兆3000億 |
利益進捗率 | 100% | 86% | 99% |
三菱UFJとみずほはすでに目標利益を達成しています。
上方修正、増配は発表しておらず、次回の決算情報に期待できます。
財務比較
みずほ | 三井住友 | 三菱UFJ | |
時価総額 | 6兆8217億 | 10兆2174億 | 17兆7293億 |
自己資本比率 | 3.6% | 4.8% | 4.8% |
剰余金 | 5兆4503億 | 7兆6725億 | 13兆5984億 |
銀行業は預金額が大きいので、自己資本比率は小さくなります。
三菱UFJの剰余金が高水準です。
配当情報
みずほ | 三井住友 | 三菱UFJ | |
株価 | 2625円 | 7639円 | 1437円 |
配当金 | 100円 | 270円 | 41円 |
利回り | 3.7% | 3.5% | 2.8% |
一株利益 | 252円 | 695円 | 110円 |
配当性向 | 39% | 38% | 37% |
好調な業績に伴い、株価が上昇傾向です。
三菱UFJは利回り3%を切りました。
次回の決算情報では増配発表がでる可能性が高いので、今購入するのもおすすめです。
指標判断
みずほ | 三井住友 | 三菱UFJ | |
PER | 10.6倍 | 11倍 | 13.1倍 |
PBR | 0.69倍 | 0.73倍 | 0.9倍 |
銀行業はPBRが低いですが、三菱UFJでは1倍を超す勢いです。
PBR1倍割れ改善のため、さらなる株主還元に期待できます。
株主還元
みずほ | 三井住友 | 三菱UFJ | |
増配 | 15円 | 10円 | 9円 |
自社株買い | なし | 1500億 | 4000億 |
自社株買い未取得額 | なし | 500億 | 未定 |
三井住友は、3月末までに残り500億の自社株買いを行うので、さらなる株価の上昇が期待できます。
三菱UFJは2023年11月に発表した4000億の自社株買いを行うためさらなる株価の上昇が期待できます。
銀行業の業績
国内では、マイナス金利撤廃から金利のある世界になる可能性があります。
金利の引上げで銀行業の業績も上向くと予想できます。
海外では、物価のインフレを抑えるため、貸出金利の上昇が続いています。預金金利も高いですが、金利が差が拡大したことにより好業績もたたき出しました。
円安もプラスに作用し、為替差益も拡大しています。
現時点でのおすすめ銘柄は
現状のおすすめは、三菱UFJフィナンシャルグループです。
23年11月に自社株買いを発表し、24年3月31日までに4000億の自社株買いを行う。
→株価の上昇が期待できます。
利益進捗率が99%になっているので、次回の通期決算では増配が期待できる。
金利差の大きい海外の銀行が子会社にいる。
→好調な海外業績を取り込めます。
配当利回りが欲しい方ならみずほもおすすめです。
利益進捗率が100%に達しており、次回の通期決算では増配が予想されているため。
現状の利回りは3.7%
仮に次の決算では20円の増配で利回りは4.4%程度になります。