2022年も半年が経過しました。
Jリート全体の指数では、コロナ前の水準から届かない所を行ったり来たりでレンジ相場気味です。
Jリートは小口不動産投資と言われ、不動産賃料収入から安定的な分配金を得る事ができます。
基本的に値上がり益は期待できませんが、ホテル系リートを除けば安定的な分配金を得ることができます。
2022年も上半期が終わり、私が今おすすめできるリート5選を紹介します。
前提条件
投資価格20万円以下
個人投資家は資金力が無く、投資口価格の大きな銘柄を買うと、投資比率が多くなりリスクが大きくなります。
20万円以下の優良銘柄を選定する事でリスクを抑えます。
長期保有前提で紹介
私の投資方針では、短期売買はせず、分配金を安定的に貰える銘柄に絞ります。
よって、ホテル系リートなどは対象外です。
リートの成長度合いを重視
資産規模の小さい銘柄でも、リートの成長度合いを加味しました。
利回りは3.5%以上の銘柄
分配金の利回りが高い程安定しているとも言えますが、あまりに低いとリートに投資する旨味が少ないので、高配当ラインと言われている4%以上の銘柄に絞ります。
第5位 ヘルスケアメディカル投資法人
有料老人ホームや医療施設に投資
ヘルスケア施設特化型のリート
このリートのみ病院不動産を持っています。
投資対象地域
首都圏 43% 近畿圏 38% 中部圏 1.6%
投資対象物件
有料老人ホーム 74% サービス付き高齢者住宅 6% 医療施設 2.6%
ヘルスケア不動産のみに投資しています。
スポンサー
シップヘルスケアHD
ファンド運営 NECキャピタルソリューション
金融 三井住友銀行(資金サポート)
会社情報
設立 2014年4月
資産規模 784億円
純資産額 328億6700万
鑑定評価額 856億円
現金 9億1393万円
剰余金 9億2904万円
物件含み益 69億円 年々増加傾向
有利子負債残高 331億5千万
平均金利 0.55%
物件数 47物件
平均築年数 16年
平均稼働率 100%
格付け JCR A+(安定的)
決算月 1月 7月
決算情報
第13期 | 第14期 | 第15期(予想) | |
営業収益 | 20億7300万 | 20億8千万 | 23億7100万 |
営業利益 | 10億7800万 | 10億7200万 | 12億5900万 |
当期純利益 | 9億2200万 | 9億1300万 | 10億9300万 |
営業収益、当期純利益も増加傾向です。
福祉施設の物件に投資をしているので、今後も継続的な収益が見込めます。
配当情報
第13期 | 第14期 | 第15期(予想) | |
投資口価格 | 150,000円 | 162,000円 | 164,400円 |
分配金 | 3,266円 | 3,244円 | 3,347円 |
分配金利回り | 2.1% | 2% | 2% |
ヘルスケア物件の安定性が評価され、利回りは減少傾向です。
分配金も3,200円台で推移していますので、この投資口価格なら買い時です。
指標判断
一口あたりNAV 162,252円 NAV倍率 1.32倍 割高
1口あたりFFO 3874円 FFO倍率 42倍 割高
NOI利回り 3.85% 低い
LTV 48% 高い
ヘルスケアメディカル投資法人評価
プラス材料
安定的なヘルスケア事業の物件を持っているので、安定した分配金が期待できる。
金融面では3大手銀行、三井住友銀行がサポートをしており、盤石の財務体制がある。
老人ホームや病院不動産は、超高齢化社会のの人口様態になっているのでプラス材料になります。
資産規模と利益が増加傾向である。
今期は10物件を取得し、資産規模拡大に積極的
コロナ禍においても分配金の影響はなし、1口あたりNAVも増加傾向。
物件含み益も年々増加傾向 現在69億円
マイナス材料
指標で判断すると成績が良くない。
投資口価格も上昇しており、利回りの低下が進んでいる。
投資口価格も高値水準で推移している。
ヘルスケア特化型なので、リスク要因にある。
第4位 マリモ地方創生リート投資法人
キャッチコピー
地方から日本を強くする 地方を盛り上げる
地方を中心に総合型のポートフォリオを形成し、高い利回り安定的な収益の確保、中長期にわたる向上に努める。
今後の投資方針では、商業施設の比率を落とし住居の比率を上げていく。
スポンサー マリモ
設立 2016年7月
投資対象
住居 46% 商業施設 39% ホテル 2% オフィス 12%
住居と商業施設に重点投資しています。
地元住民の利用が多い郊外の商業施設に投資を行っています。
コロナウイルスの影響を受けにくいポートフォリオを構築
対象地域
北海道12% 東京圏 14% 甲信越10% 東海14% 近畿 10% 中国・四国 12%
九州・沖縄30%
全国分散のポートフォリオを構築
各地域に物件を持つことで、場所の分散投資を行っています。
ポートフォリオPML値 1.4%
PML値が小さいほど建物損害額が低い。
自然災害を意識したポートフォリオになっている。
企業情報
物件数 32物件
資産規模 395億
純資産額 148億
現金 5億5124万円
剰余金 5億5033万円
有利子負債残高 161億5300万
平均借入金利 0.78% 金利はリートの中では高い方です
平均築年数 16年
平均稼働率 98%
決算月 6月 12月
決算情報
第10期 | 第11期 | 第12期 | |
営業収益 | 13億1300万 | 14億200万 | 17億6500万 |
営業利益 | 5億7千万 | 6億5400万 | 8億2500万 |
当期純利益 | 4億8千万 | 5億5100万 | 6億7500万 |
賃料収入、利益どちらも年々増加傾向です!
これからの伸びしろも期待できます!
配当情報
第10期 | 第11期 | 第12期 | |
投資口価格 | 131,000円 | 134,000円 | 131,000円 |
分配金 | 3,572円 | 3,924円 | 3,815円 |
分配金利回り | 2.7% | 2.9% | 2.9% |
投資口価格も比較的お手頃感があります。
利回りも年5%以上あります。
指標判断
一口あたりNAV 141,231円 NAV倍率 0.93倍 割安
1口あたりFFO 4,737円 FFO倍率 28倍 割安
NOI利回り 6.4% 高い
LTV 49% 高い
マリモ地方創生リート投資法人評価
プラス要因
保有物件が全国にあるので、場所のリスク分散がとれている。
利回りが高く収益も安定し増加傾向である。右肩上がり
海外の機関投資家が地方の不動産に注目している。
指標判断では、割安の水準になっている。
30億程度の物流施設にも今後投資していく。
海外投資家からの資金流入が続いている。
マイナス要因
地方を投資対象としているので、人口減少の影響を受けやすい。
リートの中では資産規模が小さい。
スポンサーの力が強くない。
物件取得にも影響がでる可能性があります。
第3位 ソシラ物流リート投資法人
SOSILA物流リート投資法人は住友商事がスポンサーとなっており、住友商事が開発しているSOSILAシリーズに投資しています。
SOSILAシリーズとは、物流テナントが抱える、輸送費削減、多頻度配送、労働力確保などの問題を解決するために優良立地に投資し、関東、関西の物流に投資しています。
トラック予約システム 高密度自動保管システム
物流支援システム 庫内ロケーションみえる化ソリューションなどの強みがあります。
LiCS(リックス)スポンサーが独自に取得した物件
物流施設やインダストリアル不動産が対象でポートフォリオの多様化を図る。
投資対象
物流施設 80% インダストリアル不動産 20%
物流施設に特化したリートです。
投資対象地域
関東および関西エリア 70% その他の地域 30%
消費地接近型物流施設に投資
消費地、生産拠点、交通インフラへのアクセスが良好
労働力の確保に有利な不動産 人口密集地に物件を持つ。
企業情報
スポンサー 住友商事 日本の5大商社
設立 2019年
資産規模 1061億円
物流リートの中での規模は小さいですが、今後も伸びしろがあります。
純資産額 620億円
鑑定評価額 1173億円
物件含み益 112億円
現金 14億1350万円
剰余金 14億1200万円
有利子負債残高 447億
平均借入金利 0.54%
物件数 13物件
平均築年数 5年
物流施設は最近できた、セクターなので比較的築年数が若い特徴があります。
築年数が若ければ、修繕工事などのリスクが少ないがあります。
平均稼働率 100%
格付け JCR A+(ポジティブ)
決算月 5月 11月
決算情報
第4期 | 第5期 | 第6期 | |
営業収益 | 31億4300万 | 35億4100万 | 37億1200万 |
営業利益 | 15億5700万 | 17億5400万 | 17億5600万 |
当期純利益 | 14億1200万 | 15億4500万 | 15億8900万 |
賃料収入、利益どちらも増加傾向です。
物流施設は安定性や今後の成長性も期待できます。
配当情報
第4期 | 第5期 | 第6期 | |
投資口価格 | 168,000円 | 157,000円 | 150,000円 |
分配金 | 2,577円 | 2,550円 | 2,654円 |
分配金利回り | 1.5% | 1.6% | 1.8% |
安定している、物流施設に投資しており、利回りは年3.6%程度となっています。
指標判断
一口あたりNAV 124,017円 NAV倍率 1.2倍 割高
1口あたりFFO 円 FFO倍率 52倍 割高
NOI利回り 4.8% 標準
LTV 40% 低い
ソシラ物流リート投資法人評価
プラス材料
スポンサーが日本の5大商社でスポンサー力がある。
物件取得に有利など資産規模の拡大や成長が早くなります。
LTV水準も低い方で、借金できる余力がある。
リートの中では、設立日が若く、成長段階である。
収益、利益、分配金どちらも右肩上がりです。
資産規模拡大に伴い、主要インデックス組み入れが実現している。
2021年9月、EPRA NAREITへの組入れが実現。
主要インデックス組入れにより、リートの価値向上や安定性に繋がります。
マイナス材料
物流施設の好調を受けて、他のリートも物流施設に重点投資を行っており、物流施設の飽和も近づいている。
物流施設の供給が多くなれば、賃料収入の減少につながります。
指標判断では、割高となっている。
第2位 平和不動産リート投資法人
首都圏を中心にオフィスや住居関係の物件に投資する。
リーシング活動、賃料水準を借りやすい水準にし、高稼働率を維持している。
企業情報
スポンサー
設立 2005年3月
投資対象
オフィス 45% 住居54%
2つの用途不動産に投資しているので、複合型リートです。
各物件を持っているので、リスク分散になります投資対象地域
東京5区 40% 東京23区 23% 東京都周辺 10% その他 20%
東京都を中心に全国主要都市に投資していて、分散効果があります。
資産規模 2890億 資産規模は中規模程度です。
有利子負債残高 908億5700万
内部留保 54億円
フリーキャッシュ 79億円
平均築年数 21年
平均稼働率 97%
格付け JCR A+(安定的)→ A+(ポジティブ)
格付け評価が上がりました。
決算月 5月 11月
物件数 114物件
決算情報
第40期 | 第41期 | 第42期 | |
営業収益 | 68億7600万 | 68億2600万 | 68億700万 |
営業利益 | 33億6100万 | 31億6800万 | 31億6千万 |
当期純利益 | 29億7100万 | 27億4800万 | 27億3千万 |
営業収益、利益も現在の水準を維持しています。
配当情報
第40期 | 第41期 | 第42期 | |
投資口価格 | 165,000円 | 157,000円 | 141,000円 |
分配金 | 2,890円 | 2,940円 | 2,940円 |
分配金利回り | 1.7% | 1.8% | 2% |
投資口価格が下がってきたので、利回りが高くなっています。
指標判断
一口あたりNAV 141,871円 NAV倍率 1倍 標準
1口あたりFFO 3,964円 FFO倍率 35倍 標準
NOI利回り 4% 標準
LTV 44%
平和不動産リート投資法人評価
プラス材料
利回りも年4%程度あり、高水準と判断。
外部要因の少ない住居もポートフォリオの半分を占めていて安定感がある。
稼働率もオフィス、住居とも高水準(96%)である。
内部留保(54億)とフリーキャッシュ(79億)が潤沢にある。
マイナス材料
指標判断では標準の範囲内で割安水準ではない。
爆発的な成長要因が特にない。
第1位 オリックス不動産投資法人
リート上場20年以上の実績があり、安定ポートフォリオと知られている、初の総合型リート構成を実現しました。
資産規模も大きく、安定感のあるリートです。
投資対象物件
オフィス 55% 商業施設15% 住宅 11% 物流施設 5.4% その他 13%
この構成は総合型リートです!
投資対象地域
東京都 51% 首都圏その他地域 18% その他 30%
首都圏を中心に物件を取得しています。
リート情報
スポンサー オリックス株式会社
物件数 112
設立 2002年6月
物件数 112物件
資産規模 6932億
リートの中での資産規模は大きい方です。
純資産額 3484億4200万
有利子負債残高 2976億3700万
内部留保額 31億3500万
平均築年数 19年
平均稼働率 97%
格付け
S&P A R&I A+ JCR AA
3つの格付け会社から評価されていて、実績もあります。
決算月 2月 8月
決算情報
第39期 | 第40期 | 第41期(予想) | |
営業収益 | 236億3千万 | 237億4600万 | 255億3100万 |
営業利益 | 109億9400万 | 104億7600万 | 122億9400万 |
当期純利益 | 98億700万 | 93億5100万 | 111億9300万 |
第41期の業績予想では、20%増益の予想となり、コロナ前の水準に戻りつつあります。
配当情報
第39期 | 第40期 | 第41期(予想) | |
投資口価格 | 207,000円 | 165,000円 | 176,000円 |
分配金 | 3,553円 | 3,460円 | 3,680円 |
分配金利回り | 1.7% | 2% | 2% |
投資口価格も比較的下がってきており、年4%程度の分配金を期待できます。
指標判断
一口あたりNAV 195,188円 NAV倍率 0.92倍 割安
1口あたりFFO 5,074円 FFO倍率 35倍 標準
NOI利回り 4.7% 標準
LTV 43% 標準
オリックス不動産投資法人評価
プラス材料
日本の大企業オリックスがスポンサー スポンサー力がある。
約20年前に上場したリートで、投資物件も問題なく安定した運用をしています!
指標判断を見ても平均的な指標水準に納まっています。
リーシング活動に力を入れ、オフィスの稼働率が高くなった。
分配金利回りは約年4%とリートの中では少ない方ですが、安定的な分配金を期待できるので投資おすすめ銘柄です。
マイナス材料
20年以上のリート実績があり、今後の成長が難しい。
Jリートについて
Jリートおすすめ銘柄5選を紹介してみました。
長期保有前提なら、総合型リートがおすすめです。
また、住居、物流施設は景気に左右されずらいので、長期保有前提ならおすすめの投資対象です。
逆にホテル系リートは長期保有にはおすすめしないですね。
コロナ前は、インバウンドの影響でとても好調でしたが、現在は壊滅的な状況です。
リートは賃料収入から分配金の原資がでているので、不調ならまったく分配金がでません。
今回のおすすめリート紹介では、総合型ポートフォリオ、利回り4%、その他いくつかの評価を比べ、オリックス不動産投資法人を一番のおすすめとさせていただきました。
おすすめJリートを動画で解説してみましたので、こちらもぜひご覧ください。